
音に集中して歩くのが日課です。
今朝はどんな音が聞こえ、どんな発見があるのか毎日楽しみにして出発します。
まだ暗い朝
秋が進むにつれ、日がどんどん短くなってゆきます。最近は散歩に出かける時間はまだ暗く、晴れていれば満点の星を見れるほどの暗さです。朝の鳥はまだまだ鳴く様子もなく、夜の虫が静かに鳴いているぐらいです。人の暮らしもまだ始まっておらず、寝静まった街は、とても静かです。
こんな朝に散歩に出かけるのを最初のころは戸惑いましたが、楽しみを感じるようになってからは、むしろこの独特の雰囲気が好きです。これから一日が始まるのだという喜びのようなものも加わっているのだと思います。
頭の中の地図に音を描く
さて、歩き出す前にウォーミングアップです。体のウォーミングアップは、ラジオ体操とストレッチです。感覚のウォーミングアップは、目を閉じて音を聞きます。1分ぐらいです。虫の音、風のそよぐ音、遠くの車の騒音、まだいないと思っていた鳥の声・・・。10個ぐらいの音を聞いて、散歩に出ます。
歩きながら音に意識を向けます。同時に、頭の中に大きな地図があるイメージを持ちます。前から聞こえた音は頭の地図の前の方にマークを付けます。左から聞こえた音は左に記号を記します。
記号と言っても、頭の中の空想地図なので、どんな形で描くかは深く考えません。ちょっとチェックマークを付けるぐらいです。
季節が進んで
秋が深まり、聞こえる音も季節と共に変化します。夏のころは、夜でも虫たちが賑やかでしたが、今は静かです。葉が落ちているのでしょう、風に吹かれて、カラカラと飛んでゆきます。乾いた葉っぱがこれも秋を感じさせます。
そうやって音に意識を向けながら路地を曲がると、さっと風を感じました。たくさんの落ち葉でしょうか? 一斉に僕の足元に押し寄せてきます。「ザザザザー」「ザー」
ん?この音は打ち寄せる波のようです。
僕の足元を洗っているのが枯葉だというのは、この暗い中では勝手な想像でしかありません。
実は打ち寄せる波なのかも知れません。
その波に乗って、波乗り気分になりました。
打ち寄せる枯葉の波が私に触れて、その力をくれました
今日もいい散歩になりました。
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